残念ながらここに書きました事柄は嘘ではありません。 よく、私たちのところにイタリアで働いてみたいのですが、との御質問が寄せられましたので御参考にしていただけましたら幸いです。
実はイタリアは昔からヨーロッパでも一、二を争う程の失業率の高い国です。 大体、失業率は12−13%と言われており、現に私の知り合いの若いイタリア人でも2年程仕事を探してやっと見つけた、その見つけたのも市のごみ集めの仕事だった、などという状況です。 そのような厳しい労働状況の中、 外国人、とりわけ日本人と言えども例外ではなく、例えば英国を例に挙げますとロンドンにいる、英語を勉強しにきていた日本人学生が労働許可なく日本食レストランで働いていた時に英国法務省の外国人不法労働者一斉摘発にあい、結果、何人もの不法労働中の日本人学生が国外追放になった、というのはロンドンに住んでいる在留日本人なら誰でもが知っている話なのです。 さて、それでは当地イタリアはどうか、と言えば、まずイタリアの場合、英国と比べてイタリア人の失業率が比べ物にならない程異常に高く(これは失業保険も大きく関係しているのです。 英国は妥当な失業保険が支給されますがイタリアでは全く無いに等しい、と考えてください。 故に仕事の無いイタリアからはるばるロンドンに働きに行く若いイタリア人が私たちの以前の住まいの大家の息子を初めとして現在でもかなりいるのです)、故に日本人と言えども仕事をイタリアに見つけるのは非常に困難であり、例えもしあったとしてもよくて日本食レストランや日本人観光客向けのお店位にしか働き口がないのが現実です。 しかしながら其の働ける可能性のある日本食レストランですがその数自体があまり無く、更にはそういう飲食関係店での警察の不法滞在者の摘発等が時々ある為、結果としてリスクの少ない安全な仕事口である観光ガイドなどを潜りでしている人が多いというのがイタリアでの日本人の労働実状なのです(観光ガイドに対しては街中に於いての警察官のチェックが実質的に全く無い事による)。 その為日本人観光ガイドを手配する立場にある当地イタリアの数ある旅行代理店の中には、学生ヴィザでも一切問題無く働ける、と間違えて考えて(実際問題、実質的に街中での観光ガイドに対する警察官のチェックが無いゆえ問題無いとして)それらのエージェントは学生を観光ガイドとして使っていたりします。 が、これはれっきとした間違いでして実はイタリアでは学生ヴィザ(学生での滞在許可証)での正式な労働は禁止されているのです(学生ヴィザさえあれば問題無く働けてしまうなんていう事であれば、労働ヴィザの存在自体が無意味、という事になります)。 イタリアの場合、例えば英国のように学生ヴィザがあれば、週何十時間迄、というような制限付きで働ける、という条件にはなってはおりませんので学生ヴィザの所持者にも他国並みに制限付きで働かせてあげようではないか、という審議が国会に出されてはおりますが、何せ元々失業率が高く、移民を他国、特にアメリカ(に渡った移民がアメリカン・マフィアを作ったというのは有名な話です)や南米(母をたずねて三千里のマルコの話とかは皆さんご存知でしょう)、オーストラリアなどに出して何とか人減らしに人減らしを重ねてどうやら持ちこたえてきた国ですからただでさえもイタリア人の職を奪う事になる、となかなか反対意見が根強く審議は一向にはかどっておりません。 因みにもう、時効だと思いますのでばらしてしまいますが・・・ 以前、大手の某K日本ツーリスト社の添乗員さんから伺った話で実際にあったことだそうですが、ローマで彼女が引率していたグループに説明をしていた日本人ガイドがお客さんに説明していたところ,たまたま偶然イタリア警察官が近寄ってきたそうです。 そうしましたら・・・その日本人ガイドはお客さん全員を置き去りにして走って逃げてしまったそうでして。。。 勿論、労働許可がなかったからなのですが。 しかしまあ、こうなってくると本当になんともいえないお話ですが・・・ そんな訳でしてもし、皆さんがイタリアに観光パック旅行で行く事がございましたら、現地のガイドに尋ねてみて下さい。 正式な労働許可を持っている人は皆無に等しい、というのは本当の話で、この事は添乗員さんならほとんどの方が知っていらっしゃる事実なのです。 「私は音楽を(芸術を)イタリアに勉強にきています。 この国に4年も5年も住んでいます。」とかほとんどのイタリア現地の日本人ガイドは答えるはずです。 でもそうなりますと・・・ 「あなたは一体何の為にイタリアにいるのですか?」と尋ねてみたくなるのですが。 以上、いろいろとイタリアでの内輪話をばらしてしまいましたがイタリアでの生活はそんなに甘くはない、という事実、イタリアに憧れる気持ちはわかります、でもいろいろとその前に立ちはだかる厳しい現実があることをよくお知りおき下さい。 ここで話は変わりますが実はイタリアでは結婚さえしていればイタリア商業税番号(Partita IVA)無しで日本人はインヴォイスを出す仕事ができるかといいますと実はできないのです。 それは簡単な事でして例え結婚していて労働許可は取り敢えず問題ないとしましてもその仕事をして収入を得る、という事に関しては個人営業をしている、という発想になるからです。 故に私のような個人営業者でも大企業と同じイタリア商業税番号(Partita IVA)が仕事に対して必要になるのだそうです。 こんなに税金取ってどうするんだ!!! とまじめもんはつくづく泣きたくもなりますが実はイタリア人に言わせるとイタリアはヨーロッパでも第2位位に税金の高い国だそうです・・・ とほほほほ さて、所でこうなってきますと一体イタリア人の生活ってどうなのだろう、という素朴な疑問が出てくる事かと思います。 まずは大体の要点から。 生活費はとても高いです。 お家賃でも今、私たちが住んでおりますのは極々普通のミラノの外れのアパートですが中身はベッドルーム、居間、お風呂、台所、これだけです。 で、お家賃が幾らかといいますと・・・ 何と驚くなかれ月々750ユーロです。 円の変動によっても違いますが大体月々8万8千円相当(2002年時点)と考えて頂ければ良いかと思います。 東京23区内並みです! お断り致しておきますがこれは特に良い家ではありません。 60年代半ばに建てられた、極々普通のアパートなのです。 で、イタリア人の手取りのお給料は何と大体775ユーロ(大体8万9千円位と思ってください)から良くても1000ユーロなのです。 因みにミラノにある某大学の教授のお給料でさえ、手取りでわずかに1000ユーロ!! 日本じゃ大学教授は手取りで40万50万円は楽に貰っているというのに。。。 で、ボーナスは法律に基づいて出されますので基本的に一年間で1月分が出るだけです。 業種に依っては2ヶ月分出るところもありますがそれでもこれだけ! 更に日本のように交通費、皆勤手当て、家族手当て、などがお給料として全く出ないので交通費は当然自分持ち。 因みにそれではボーナスはどの位貰えるのでしょうか? 残念ながら日本のように夏と冬で夫々4−5ヶ月分ずつ貰える、という事はあり得ません。 実はイタリアの法律によりボーナスの支給額が決められているのです。 事務職、工務職、など職種によって支払い種類が別れていますが、1年間で1ヶ月分(1年間・12ヶ月で13か月分のお給料の支給=ボーナスは1月分)だけか、1年間で2ヶ月分(1年間・12ヶ月で14ヶ月分のお給料の支給=ボーナスは2月分)だけのボーナス支給のどちらかになっています。 つまり、どんなに良い仕事であっても1年間でボーナスを2ヶ月分以上貰えることは(法律で決まっているので)あり得ない訳です。 私自身も以前,某日系企業での採用の話がありましたが(95年)そちらでも手取りで1136ユーロ(220万リラ)でした。 現地採用のイタリア人のお給料と現地採用の日本人では両者の間に大きな格差をつけるわけにはいけない、との至極まっとうな理由により上記のような安価な手取り給を提示されました。 その次が輸出関係のミラノの会社です。 こちらはトマト関係製品の日本への輸出を行っていますがそこの提示額は775ユーロ(150万リラ)でした。 私の知人が某日系超有名企業のこちらの支社で現在事務職を致しておりますが彼女の手取りも1032ユーロ(200万リラ)です(11万8千円・2002年現在)。 日本では手取りで20万円取る人は女性でも珍しくない今日この頃ですが月に20万円相当も手取りで取れるイタリア人はイタリア全体を見渡しても本当に極わずか,一握りです。 その理由というのは、お給料には手取り金のほかに税金,年金などがかかり、それらを含めますと企業の支払い額は手取額の約倍になりますので企業としても手取額をあまり上げると財政がきつくなるのが本音というところからです。 一体こんな安いお給料で上記したような高いお家賃、どうやってイタリア人は暮らしているのか、と言いますと答えは簡単です。 生活が成り立たないので昔はイタリアといえばマンマの国(おかあちゃんの国)、大家族の国でしたが今ではとても生活が大変なので一人っ子がほとんどです。 ついでに言ってしまうとイタリアは、ヨーロッパで一番少子化の進んでいる国です。 でお金が無いから結婚できない、仕方が無いからいい大人が結婚ぎりぎりまで親と一緒に住んでいます。 で結婚はやっとお金がたまってから、大体男性で35歳、女性で30歳位が普通と考えてください(日本も晩婚化が進んできた、とは言いますがこの歳での結婚が普通になる事はまず無いでしょう・・・)。 そしてやっと結婚したら今度は今迄親と同居していた時分の貯金を使って家を買う訳です。 しかしお互い、やっと二人っきりになった訳でして其の二人っきりの誰にも邪魔をされない時間を大切にしたいのでまだ子供は作りません。 そんな結果としましてイタリア女性は初産が大体33-34歳なのですが・・・ 幾ら日本が初産が遅くなってきたとはいえここまでは行かないでしょう・・・ しかしこれはあくまで極一般的なカップルの例であってこういう風に共働きできるところはまだ良い訳ですが何せ繰り返しますが失業率の高い国の事、共働きしたくてもできないカップルが沢山います。 そんな人たちは仕方が無いので親に援助してもらったり(いい大人が、です!!)しているのです・・・ 「太陽の国、イタリア」 しかしみなさんが思っている程生活は楽ではありません。 因みにお給料ですがこれは基本的に入社したての人も働いて何十年の人もお給料にはほとんど違いが無く、いや、はっきり言ってしまいまして何も差がありません。 物価は上がりますが実質的にお給料は据え置きに等しい為にほとんど上がらないに等しいですし。
上記のガソリンの値段を良く見てください、何と高い事か! 一番安いディーゼルの軽油でさえもリッター77セント(1500リレ)もするんです! 更にガソリンは今、大体1リットル当たり1.03ユーロ(2000リレ)、一体日本とイタリアとどちらが「太陽の国」なのか??? 確かにリッター当たり100円(2000年現在の換算)以上ですがお給料にに照らし合わせて比較してみますとリッター当たり200円以上する感覚になります。 ここでよく下の写真を御覧ください、信じていただけないかもしれませんがイタリアは基本的に小さい車しか走っていないのです。 良く言われるのは日本の方がフェラーリが沢山走っているよ、という事です。 この理由は簡単で まず第一にイタリアは車が高い、日産のマーチ(日本では一番安いモデルが70万円台からあるはずですが)のエアコン無しの何にも付いていない車がだいたい8300ユーロ位から。 本田のシビックはなんと18000ユーロ位から。。。 これではBMWといい勝負。 そうです、イタリアではシビックは冗談抜きで高級車なのです。 こんな訳でまず車両価格が日本と比較にならないくらいめちゃくちゃ高いんです。 次にガソリン代が高過ぎる事! 上記の写真を見て頂ければ御納得頂けるでしょう。 当然小さいエンジンの車の方が燃費が良い訳です。 最後に車両価格に対しての収入が少な過ぎる事があります。 上記の手取りのお給料ではとても良い車、特に新車なんてまず手に入りません。 生活費に回すので手一杯です。 その結果、もし新車が買えるとしても小さい安い車にならざるを得ず、小さい車が売れるという事なのです。 確かに小さい車の方が駐車スペースが少なくて済むのでそういう実用的な面で、と書いている車雑誌もあります。 でもそれならこんなみんなだれしもかれしも「小さい車」にしか乗らない、いや、乗れない理由にはならないはずです。 更にこれらの理由以外にも中古車価格が全然落ちないという事実。 例えば日本なら信じられないかもしれませんが私の車は7年落ちでエアコン無し、16万キロも走った、日本ではもうとっくに解体屋さんものですがこれがなんと3880ユーロ(750万リレ)もするんです!! 下に写真を載せましたので見て見てください。 ひとつは小さい車ばっかの所をを上から撮ったもの、もうひとつはフィアット・プント(日産のマーチくらいの車だと思ってください)のタクシー、こんな小さな車でもタクシーとして走っているイタリア、大体小さすぎて人も荷物も乗らないし乗っても小さすぎて窮屈です。 市バスのストライキのあった日の駅で2人でスーツケースのあった人は「次のタクシーを待って!」とこのタクシーの運転手に断られているのを私は見てしまいました。。。 背景にも注目してください、小さい車ばかりでしょう??? 駅のタクシーもこのプントを含めて御覧のように小さい車(日本ではカローラサイズの車)ばかりです。
余談になりますがフランカが初めて日本に行きました時に目を丸くしてひとこと「日本はこんな狭い道ばかりなのに何でみんなこんなでかい車ばかり乗っているの(4WD車やらワンボックスやら2500ccもの排気量のセダンやら)、無駄よ無駄!!」 でついでに「しかもこんな巨大な車ばっかなのに乗っているのはほとんどひとりでよ!! 無駄よ、無駄!!」 ここで一言。。。 イタリアに来て住んでみたいな、と考えていらっしゃる方、はっきり言わせていただきますがイタリアで暮らしてみたい、という場合、どうやって生活して(稼いで)いくのか、はっきりしていない限りはイタリアではまともに生きてはいけない、と考えた方が良いでしょう。 まず、この上記の現状、この状態のイタリアでどうやって仕事を探しますか? 嘘だとお思いになられるのでしたらミラノのJETROをあたられると良いでしょう。 300名以上の日本人が「仕事を求めます」とリストに名を連ねているのです。。。 そのうち、実際に労働許可をお持ちの方はそのうちの極々ほんのわずか、それでも、その労働許可を持っているその方たちでさえも、仕事は全然見つからず、困ってられるのです。 大体、企業が人材を募集する時にはまず当たり前の事ながら労働許可の所持が最低条件になります。 だってそうでしょう? 労働許可を所持していないにも関わらず仕事を探している方はそれこそ、ごまん、といるのですから。。。 そうなりますと先ずどうやって労働許可を取りますか? そしてどうやって仕事を見つけますか??? いろいろな仕事がある、という国、日本に生まれた幸せをきっとイタリアで職探しされた時に実感される事と思います。 しかし、次に労働許可を持っていて仕事が見つかったとしましても果してこれでイタリアでまともに生きて行けるかどうか、はなはだ疑問です。 日本から数年の予定で派遣されてこられている方たちはともかくとしまして、最初に書いたことの繰り返しになりますが現地採用の日本人の場合、例え日系企業で採用されたとしましても現地のイタリア人との間のお給料に差をつける訳にはいかない為お給料は原地のイタリア人並み、せいぜい、手取りで1000ユーロ(約11万8千円)も取れれば御の字でなお且つサーヴィス残業は日本から派遣されて来られた方並み、という、両方の悪いとこ取り。 そこまで大変な思いをしながらこの安いお給料でアパートが月に750ユーロ、はっきり言いまして、何も残りません。 それでもいい、何でもいいからイタリアに住みたい、と言われるのであれば止めは致しません。 でも、もう一度繰り返しになりますが、何の為にイタリアに住みたいのか、もう一度考えてみてください。 日本での方が何十倍もまともな生活ができるのです。 老婆心ながら。。。 私はここに記載しました税金に関する記述などに関しては、イタリアの財務警察(日本の税務署に当たります)及び労働許可や滞在許可の発行を担当するイタリア警察へと赴いて確認を取ってきました。 どんな形であるにせよ、イタリアで正式に収入を得る者は個人営業の労働許可を取らないといけない、という事でした。 因みにイタリアの労働許可にも2種類ございましてひとつは単純にどこかの会社で雇われた人が貰う雇われた人用の一般労働許可(イタリアで労働許可を持っているという人のほぼ、ほとんどがこれです。 但し、これでは今、説明しましたように一般の個人営業はできません)、そしてもうひとつがほとんど取るのが不可能と言われている、私(酒井 博)が持っているような個人営業用の労働許可です。 そしてこの個人営業の労働許可を持っているだけでは実はまだ非合法でして、ここで更に個人営業税番号(日本の税務申請番号みたいな物ですね)を取得しなくてはならないのです。 但し、この個人営業税番号は先程記しましたように大苦労の末にやっと個人営業の労働許可を取って、その後やっと取得できるという、なかなか大変な代物でしかもその後毎年この税番号維持の為に莫大な出費が必要となり、また税理士にも月々莫大な手数料を払わなくてはならない為そこまでしてまじめに正規の個人開業の為にこれを取ろう、という人はまずおりません。 ですから例えばイタリアにある企業で一般採用された人たちがごく普通の一般採用従業員用の労働許可を持っていてこれで私も正規です、と本来なら個人開業労働許可が必要なのにも関わらずあたかもこの一般採用者用の労働許可が正規の個人営業用の労働許可のようなふりをしてイタリアの企業で働く傍ら(実際はもう既にお分かりのようにこれでは個人営業のヴィザではないので学生ヴィザ(滞在許可)を持っている人と何の変わりもないのですが・・・)不法と知りつつやっているのは個人営業の労働許可を取るのが非常に大変だからなのです。 しかしながらやっと個人営業用の労働許可を貰って税番号も貰って、これで全部終わりか、と言うと実はそうではないのです。 と言いますのも例えば学生で不法ながらも観光ガイドをしている人が多い、という話を前に致しましたが彼らは実は源泉徴収の20%だけ払えば、後は何も払う必要はないのです。 ところがこれが正規の個人開業主(例えば私みたいに)になりますとこの20%の源泉徴収の他に更に20%の消費税(仕事を買い取った、という発想でしょうね)、そして国民保険、年金、税理士への手数料、税務番号維持費等と結構、義務で払う物が多く学生が80%を手取りできるとすれば正規の(その分、信用も増すのですが)個人営業の労働許可を持っているガイドは手取りが何と30%位にしかならない、という惨澹たる物なのです。 また、日本では必要経費としていろいろな控除が認められていますがイタリアでは必要経費として認められる物が職種によってももちろん違いますが全般的に非常に少なくほとんど無きに等しいのです。 そしてそのやっと認められた物でさえ、例えばコンピューターを必要品として購入しましたとしてもそのコンピューター代全てが必要経費として認められる訳ではなく、そのコンピューター代金に含まれている20%の消費税内税分だけ、という非常に厳しいものとなっているのです。 更にその上、基本的にイタリアの消費税は日本の5%などというやさしい物ではなくほとんどの物品にかけられているのが20%という高い税率なのです。 そのようないろいろな事情があり、例えば個人営業しているイタリア人やまた、イタリア人を同伴者に持つ日本人の中にも税を回避する為に、実は絶対に必要である開業税番号を持たなくてはならないのを知りつつも持たないで事業をしている人も残念ながら多いのです。 又、こちらにイタリアの労働に関する朝日新聞(Asahi Com/記事の使用申請済みです)の記事を付けてみました。 見てみてください。 補足 この文章は1998年にこのサイト Made in Italy を立ち上げた時に掲載いたしました。 その後、年月が経つにつれて、一部変更になった部分などもございます。 例えば、単位がリラからユーロになったり、学生の労働について、などです。 今回、単位をユーロに変更すると同時に一部、補足をここに追加致しました。 現在、学生の労働は週辺りの時間制限付きで認可されています。 しかし基本的な、「仕事が見つかるか?」という部分については「かなり難しい」という状況は現在も全く変わってはいません。 また、一部、その後、「イタリアでは昇給がある」という声も戴きました。 しかしこの場合の昇給とは 「物価上昇に合わせた給料の上乗せ」 と、 「基本料の引き上げ」 の二つの意味があると思います。 イタリアでは前者の 「物価上昇に合わせた給料の上乗せ」 についてはIstatの査定に基づいて行われます。 しかし日本のように「ベースアップで幾ら」というような給料そのもの自体の引き上げはまず行われる事はありません。 夢を持ってイタリアに来られる方に水を差す気持ちはありませんがイタリアの現実、という物はそれほど甘くはない、つまり、皆さんが考えられているような 「日本のお給料(をそのままユーロに換算したもの)」 で 「日本のように(贅沢を言わなければ)仕事は割と簡単に見つかる」 という事はありえない、と考えてください。 2002年4月追記 追記 このMade in Italyを立ち上げて早くも6年近くが経ちました。 この間に世の中の状況も大きく変わってきました。 この間に私たちはイタリア・ミラノ発の月刊Web雑誌 あもーれ・みぃお を発行し、イタリア発の本音の情報サイトとして沢山の皆様のご支援をもって大きく育ってきました。 そんなあもーれ・みぃおに以下のような投書がきました。 かなりイタリアの本質をついたご質問だと思われますので以下に掲載、そして私から、更にシチリア島・カターニァにお住まいの のだ ななえ さんからの回答を続けて掲載したいと思います。 御参考にされてください。
以下は私から由美さんへの回答です。
そして以下、のだ ななえさんからのご回答です。
最後に由美さんからご返事をご紹介致しします。
イタリアはユーロになってからとにかく物価がとても上昇しました。 一番の変動は家の価格でしょう。 イタリアは日本と違って(日本は築後30年程で立て替えるので竣工と同時に家の価格が下落しますが)どんどん家の価格が上昇していきます。 新築の家の価格の方が安価な位です。 2004年3月現在、ミラノ市西部で築後40年ほどの鉄筋コンクリート製の45へーベーほどのアパートの場合(当然駐車場などなし、単にアパートだけの価格)約200.000ユーロほど(約2700万円ほど)もします。 はっきり言って東京の家(マンション)の方が安いくらいです。 また車は中古車価格の値段が全く落ちませんので10万キロも走った車などまだまだ「新車同然」的に扱われます。 車についてはこういう考え方も出来るでしょう。 まず、日本では「手取りで20万円」ほど取るのは難しくはありません。 そして新車であれば例えば日産のマーチなどの場合、エアコン付きのお買い得仕様で80万円ほどから実際に売られています。 この場合、お給料4ヶ月から4ヵ月半相当で新車が購入できる、と考えることができます。 対してイタリアです。 手取りで800ユーロから900ユーロが良いところです。 そして新車のマーチのエアコン付きの場合、イタリアでは絶対に日本のような「お買い得仕様」というものは存在しませんのでとりあえずは一番安いグレードで考えます。 そうしますと約9000ユーロ程度はします。 この場合、手取りのお給料の約10ヶ月分と考えることが出来ます。 日本では新車を手に入れるのに約4ヶ月ほど働く、対してイタリアでは10ヶ月も働く。 当然、生活費なども別途かかってきますので実際にはこうはいきませんがわかりやすい比較にはなると思います。 また、滞在許可についても大分状況は変わってきました。 以前、2000年頃までは「学生の滞在許可」から「労働の滞在許可」に切り替えることは絶対に不可能でしたが最近は条件さえ揃えば労働が取れるようになりました。 それに伴って「自営業」の滞在許可の取得も以前のように不可能ではなく、取得ができるようになりました。 しかし、「取れる」ということと「生きていける」ということは全く別の事柄です。 あなたは「イタリアで何が出来ますか?」 繰り返しますが、イタリアに住んでいる日本人はごまんといます。 その中で「日本人だから」できる仕事というのはほとんどありません。 英国などでは「労働許可さえもっていれば日本人の仕事は幾らでもある」という状況ですが、残念ながらイタリアはそうではありません。 日本人だから、という理由だけで雇ってくれるところは限りなく少ないのです。 そんな中で、失業率の高いイタリアの中で、イタリア人と対等に、そして沢山のアルバニア人やアラブ人、そして旧共産圏の国から来た移民などに混じって、やっと「仕事」を探したとしても、果たしてあなたは「そのお給料」で一体、生きていけるのでしょうか? 私が考える「イタリアで成功した人」というのは決して豪邸を建てた人ではないと思っています。 「明日の生活の費用がある人」「来月のお家賃を払うのに困らない人」そして「家族がとりあえずは食べていける生活が出来る人」のことだと考えています。 日本では当たり前、のことでしょう。 しかしイタリアでは決してそうではありません。 「来月のお家賃、どうやって払おう・・・」と悩まずに「家族が暮らしていける(生きていける)だけのお給料を手にすることができる人」というのが「イタリアで成功した人」だと本当に思っています。 2004年3月追記 このサイトを立ち上げてから、このページを見ていろいろな方から反応をいただきました。 イタリアでの生活の大変さは「給料の問題」だけには留まりません。 「何がなんでも絶対に自分が正しい」と思い込み、他人の話は全く聞かずに自分の言いたい事だけを言う、本人は悪気がないのでしょうが平気で人種差別的発言をする、そしてそれを周りも止めない、自分がやらなくてはいけない(担当の)仕事そのものができない人のなんと多いことか、またそのことをこちらが指摘すると逆切れする、通話中であってもイタリア人は「こりゃ面倒だ」と思ったら勝手に一方的に電話を突然切る、決してなにがあっても絶対に謝らず悪びれもしないでしゃあしゃあと言い訳ばかりしている、言うことを毎回ころころと変えるし同じ受け付け窓口であってもそれぞれの人間によって言うことが全部違う、そういった「自分さえ良ければよい」「自分が正しい」「間違ったと思っていないから絶対に謝らない」「やるべきこともできない」という態度をとる圧倒的大多数のイタリア人の中で暮らしていかなくてはいけない。 つまり、「イタリア人自体」がいろいろな意味でいろいろな問題なのです。 そしてそれがイタリアで生きていくのにあたって、毎日のものすごいストレスになっているのです。 しかしその話はここでは割愛いたしましょう。 参考・私の信じられない実体験の一例 以下のようなお便りを数日前にいただきました。 御本人のご希望でお名前と所在地は変更の上、伏せてありますがイタリアに住んでの生の声、ありがたく読ませていただきました。
このメールを読ませていただいて、きっと欧州各地からの人を相手にしていたのでいろいろと大変だったでしょう、特にフランス人はイタリア人とあまり変わらないよ、ということは聞いたのですがどうでしたでしょう? といった内容の返信を出させていただきましたところ、ありがたくご返事を再度いただきました。
いろいろなことがイタリアではあるでしょう。 しかしイタリアに住んでいる、とは言っても語学学校や声楽などで学生として「留学(長期を含む)して住んでいる」と「実際に労働して暮らす」とでは、同じ「イタリアに住んでいる」であっても実は大きな違いがあります。 また「日本からの派遣組(駐在組)」として暮らしていくのと「現地組」とではさらに大きな違いがあるのです。 そして観光でいらっしゃったとなると本当にイタリアのよいところだけしか見えないのです。 イタリアに住みたい、という方に水を差す気はありませんがこれだけの覚悟がないとこの国では生きていけない、まともな神経の持ち主では生きていけない、ということをいつかあなたがイタリアに住まれたらおわかりになられる時がくるかと思います。 日本での常識はイタリアでの常識ではないのです。 世界の常識はイタリアでの常識ではないのです。 イタリア人というのは本当に「井戸の中の蛙」、だとよくわかることかと思います。 イタリアで弁護士の彼や社長の息子と知り合って結婚してヴァカンス三昧、という方々も存じ上げておりますし、逆に無職の彼と知り合ってふたりでつつましく生きていらっしゃる、という方も私は存じております。 ですので「イタリアで暮らしていくのは絶対に不可能」とは言いません。 上記のように運もあるでしょう。 しかしイタリアで生きていくのは全てにおいて本当に大変、ということだけはイタリアで暮らされる方には共通の気持ちなのです。 2005年5月追記 私も今年の3月で40歳になりました。 イタリアで生活していく、ということは日々、これ戦いの連続になります。 2006年5月にいきなり私にふりかかった実話は以下の通りです。 |
イタリアは信じられない事、わけのわからないことが幾らでもあり、それがまかり通ってしまう国だということです。
私に今年、2006年の4月に突然、20日以内に2001年分の追加徴税として4985ユーロの税金を払え、という命令がきました。 これはどういうことかといいますと、イタリア国は、かなり高額な「各年での個人の年収入予定」というものを作っています。 そしてそれに達しない正式な自営業者(私はその一人になります)は、イタリア国から「あなたはその年の収入が達していなかったから罰金」という理由により、有無を言わさずいきなりこのように追加徴収が5年もたってからきた、いうことでした。 しかもその支払わなくてはいけない税金金額が半端ではない、5000ユーロ、ということ。 つまり日本円に直して80万円も来た、ということなのです。 「その年齢の男性であればこれだけの収入が」とイタリアが勝手に想定してきて、それに達していなかった私は罰金税金として「消費税込み」で4985ユーロ、こんな馬鹿なことがありますか?
そんな「予定」は国が勝手に決めているもので、私には関係がありません。 そもそも私はきちんとかなりの金額の税金を払っています。 しかしそれでもその税金では少ない、とイタリアの国は言うわけです。 よって「イタリアに生活している人たち」であっても私と異なり、もぐりの仕事だけをされている方たち(そのような日本人の方もかなりの数、おります)は、このような追加徴収を受けることはないわけです。 つまり、私はそういった方たちが支払わなかった、国にとっては足りない税金をなぜか尻拭いのために払わされた、というわけです。
このような理不尽がまかりとおるのがイタリア。 そしてこれを20日(週の労働日ではなく、命令書が発行された日から数えて、つまり実質的には4週間)以内に払えなければ今度は強制的に裁判所行きになります。 そして今度は裁判として、莫大な出費が待っている、支払う、支払わない、支払えない、どちらに転んでも出費は痛い。 よって「イタリアはいいところですよ〜」とだけ言われていらっしゃるイタリアご在住の方は、まず間違いなく正規ではないお仕事のみをされている関係で、このような高額の税金を支払われることもないため、良い事のみを言われているわけです。
2001年以前の税金はなかったのになぜいきなり2001年の税金だといって5年も経ってから突然きて、それも80万円20日以内に支払え、支払わないと裁判所、もし来年も2002年分が来たら・・・・? こんなもの、毎年分払うことできる訳ないでしょうが!
イタリア在住の現実ってかなり厳しい、ということです。
2006年5月追記